■布団だらけの廃墟・下田 ○苑ホテル(伊豆)その1
あけましておめでとうございます。
コミケに行く人に向かって、「風邪ひかないように気をつけたほうがいいですよ!」とか
「風邪ひいてなくても予防的に風邪薬飲んで行くといいかも(←ホントか?)」など
あちこちで言いまくってたのに、コミケに行った翌日の大晦日の夕方ごろから
絵に描いたようなびっくりするぐらいの激しい悪寒が・・・。
結局、元旦はずっと布団の中。
なんか正月って1年おきにこんな感じだったような。
学習機能が1年ぶんしか働いていないんではなかろうか。
というわけで
(年賀状で使った画像のうちのひとつ、シャボ助。いま命名しときました)
今年もどうぞよろしくお願いします。
紙幅の都合で19号で紹介できなかったものの中から
3回にわたってこの廃墟をお届けしようと思う。
伊豆下田の○苑ホテル(伏せてもしょうがないか)。
それは、ゆるやかな峠の途中、幹線道路沿いにあった。
古い建物だが、7階建てとかなり大きい。
数年前には防災などに役立てないかと検討されたようだが
建物の老朽化には勝てなかったのか、いまのところ
「静かに朽ちつつほぼ現状維持」という状態のようだ。
フロントへと続く階段はこざっぱりとしているが
もう一方の階段には、荒城のような佇まいも見せる。
※この画像、抜けてました。
廃墟では、「偶然性の美」と言っていいのだろうか
ジョン・ケージの4分33秒・・・でしたっけ? 37秒?・・・みたいに
ちょっと意味合いは違うか、なんと言うんだろう、その場に居合わせた瞬間に
ちょうどいい感じで、錆やペンキ、散らばる瓦礫が織りなす絵画的空間に出くわす。
というか、自分の持っている「美」だと感じる空間を
そこかしこでたやすく見つけることができるカオスがあるから
あとはそれを写真によって切り取ればいいという
先に自分の中に何かがある、それを見つけるような探索をついしてしまう。
この写真はそんなときのひとつ。
しかし、その一方で、こんな汚い廃墟も同じ廃墟である。
虫がわいてそうな積み重ねられた布団。
フォトショップの指先ツールでごしごしこすって
全体のトーンをもう少し統一感を持った色、たとえば
エゴン・シーレのくすんだ赤とくすんだ緑みたいにキーカラーを決めて
なじませていけば、これもそれなりに絵画のようになると思うけど
それをするなら、絵を描けばいいかなと思う。
あくまでも素材がもつ素材のよさを極力引き出したいなーと。
そういえば、このホテル、宿泊施設だから当然だけど
布団の山がとても目についた廃墟だった。
これから布団を業者に回収させようと用意しておいた矢先に
不渡り→倒産という事態となったのだろうか。
客室にテレビなどが残っている部屋も目につく。
暗い部屋。黒い部屋。
ここも大量の布団の山。
これがきれいな布団の山であれば、子供たちは大喜びで
布団の山でどたばたと転げ回って遊んだことだろう。
窓辺では、ただでさえ弱々しい晩秋の陽光が
うっそうとした樹木を通過することにより、いっそう弱々しく部屋の中に落ちている。
これは食堂だろうか。
壁の色が独特だ。
ホールになぜかドラムセットが。
このホテル、防音の部屋もいくつかあり、音楽スタジオが完備されていたとか。
ダブルカラオケテープ?
(つづく)
| 固定リンク
コメント